移動平均線
学んだことのアウトプットとして移動平均線について書いてみます。
基本
まず移動平均線とは
指定した期間の終値の平均値を1本のラインにしたもの
です。
では、移動平均線の意味について考えてみます。チャート上の価格は「○○円で売買が行われました。」ということを表します。移動平均線はそれの指定期間での平均をとったものです。
つまり移動平均線は
指定期間で平均○○円で売買されました
ということを表していると言えます。
これがわかると何がうれしいのか。例えばローソク足が移動平均線の上にある時、現在の価格は指定期間で売買された平均価格より上にある。それならこの期間で買いポジションを持った人は含み益を、売りポジションを持った人は含み損を抱えているのではないか、と考えることができます。
買いの方が有利なら、ほかの市場参加者も買うはずです。すると価格はさらに上昇します。そうなると、売りポジションを持っている人たちの損失はさらに広がります。彼らは損失がこれ以上増えないように決済します。売りポジションが決済されるのでさらに買われるということです。このようにローソク足が移動平均線より上なら価格は上がりやすいと言えます。
しかし、ローソク足が移動平均線より上ならいつでも買っていいというわけではありません。ローソク足と向きがそろっていないとうまく機能してくれません。また、角度が急な方がその方向への勢いが強いと言えます。ローソク足が移動平均線より上(または下)に大きく離れている時は、利確したい人たちがいるので価格は移動平均線の方へ向かうような動きをします。
(参考:http://www.ishinnosuke.jp/report/d9Ig.pdf )
2本の移動平均線を利用する
よく2本の期間の異なる移動平均線を表示させて、短期線が長期線を下から上に抜けたのでゴールデンクロスで買いサイン、など言われますがこの意味は何なのか。
移動平均線は期間が短いほど値動きに早く反応します。逆に期間が長いほど遅れて動きます。このことから、極端かもしれませんが
「長期線から見ると、短期線はローソク足に近似できる」
のではないかと考えました。つまりやっていることとしてはローソク足が移動平均より上か下かを見ることと大体同じだということです。(極端でない言い方をすると、短期の売買と長期の売買を比べて買いが優勢or売りが優勢、ということ。)
MACD
MACDは短期と長期の2本の指数平衡移動平均線の差を表したもの。MACDが0より上であれば短期線が長期線より上、MACDが0より下であれば短期線が長期線より下ということです。
価格が上昇すると、短期線のほうが早く反応するので2本の移動平均線の差は広がります。よってMACDも上昇します。
他にも下のような場合があります。
短期線のほうが早く反応するので、価格が大きく下落したときにMACDも大きく下落しました。その後、値幅が小さい状況が続き、短期線はほぼ水平になる、長期線は後から遅れて短期線のほうに近づいていきました。よってその差はだんだん縮まり、価格はほとんど動いていないがMACDは上昇しました。(これは大きく動いた後、ヨコヨコになった場合。)
基本的に価格が上がればMACDも上がります。しかし価格が上がっているのにMACDが下がる場合もあります。(ダイバージェンスと言います。)
例えばこれ。価格が上がっているのでMACDも上がるはずなのですが、MACDは下がっています。短期と長期の2本の移動平均線の間隔が狭くなったということです。そしてこれが意味することは、価格は上がったものの、前回よりも上げる力が弱いということです。よってそろそろ価格の上昇が終わりそうだな、と判断できます。
これも価格が上がっているにもかかわらずMACDは下げています。しかしこれはトレンド終了の予兆ではなく、トレンド継続サインです。(ヒドュンダイバージェンス)
GMMA
GMMAは期間の異なる12本の移動平均線を表示させたものです。長期束の間隔、短期束と長期束の間隔などを見てトレンドの強さを調べます。価格が上がれば束の間隔は広がります。期間が違いますが、やっていることとしてはMACDとほぼ同じです。MACDダイバージェンスはGMMAの束間隔が価格が上昇しているにもかかわらず狭くなった時に発生します。なので、MACDとGMMAは片方だけ表示すればいい、とも言えます。
何を見たいのかでそれぞれ使い分けるといいと思います。(トレンドの強さを見るにはGMMAの方が見やすい、ダイバージェンスを見るにはMACDのほうが見やすい、など。)